まずこの記事を読む前に、下記動画を閲覧する事をおすすめします。
質問動画でもお話しましたが、明確にこうなったらどうかとまで頭ごなしに決めてしまうのはやめましょう。
ラップはある種、麻雀に近いです。
麻雀も局面を左右する要素が多すぎる事で明確な理論は難しいとされています。
明確な理論化が難しい分野において、理論化する事や理論に沿う事を意識しすぎると結局理論自体が一貫性のないものになってしまい本末転倒になってしまいます。
そうではなく、考え方の1つという融通が効く範囲に留めておいて、その都度の状況に応じて柔軟に変化させていく方が再現性は高いでしょう。
そうする為には明確な理論化までは難しくとも、それぞれの要素に関して理解はできている状態が必要です。
『理解はできているが公式化はできていない』
この状態を目指す事が最も現実的かつ実用的です。
これがラップは数学ではなく国語だという私の考えの理由です。
考え方を質問に回答する形で提供し、その理解ができる様にする為の記事ですのでご覧ください。
距離延長のプラス・マイナス基準は?
さっそく多かった質問の1つである距離延長に関するものを解説していきます。
これも多くの質問者の方は更に細かく理論的な回答を望んでいる様に感じられました。
しかし、これも冒頭に記載した通り理論化しすぎるのは得策ではありません。
というよりもこの質問をくれた方もそもそも感覚ではわかっているのではないかと思います。
それを理論化しようとし過ぎて頭がこんがらがっている状態ではないでしょうか?
これが本末転倒になってしまうという理由です。
では本題に入って僕の基準(考え方)を記載していきます。
距離延長がプラスになる馬
距離延長がプラスに向く要素をまずは考えます。
・求められる基礎スピード、トップスピードが楽になる
これが主な要素でしょう。
基礎スピードが有酸素運動時のスピード、トップスピードが無酸素運動時のスピードと置き換えればわかりやすいと思います。
この2つが必要十分条件でない事は人間に置き換えるとわかりやすいと思います。
歩く速度が速い人=100m走が速い人と断定できないという事です。
ではまずプラスに向くパターンの1つとして、このどちらか、もしくはどちらも足りていない馬に関してはプラスに向く可能性が出てきます。
なぜ求められるこの2つが楽になるかも人間に置き換えて一応解説しておくと、100m走と400m走ならばスピードの最大値を問われやすいのは100m走という事と同義です。
これがプラスになる為の要素(馬の特徴)です。
しかしこれだけではプラスになるとは言えません。
プラスになる為の条件があります。それは、その延びた距離自体をこなす事ができるのか否か。
先ほどの例に倣って解説すると、
100m走ではスピードの絶対値が足りない人=400m走で結果を残せる人
ではありませんよね?
100m走ではスピードの絶対値は足りないが400mならばスピードの絶対値が足りて、なおかつ、その距離を走るに際して必要なスタミナを有している人=400m走で100m走以上の結果が望める人
これが適切でしょう。
この2つを満たしている馬が距離延長がプラスになる馬です。
ではこれらを総合的に考えてプラスになる馬をラップに落とし込んでまとめます。
ラスト3F最速戦やラスト4F以前から動き出して11秒台を続けたレースでの勝ち馬は距離延長でプラスになる可能性が高いです。
こういったレースで結果を残しているという事はロンスパ(ロングスパート)に対応できているので単純に考えればわかる話ですが距離が延びる事によるスタミナ面の心配は少ないです。
そしてこういったレースは総じて基礎スピードもトップスピードも絶対値は求められず、全体に分散している場合が多いです。
というよりも分散したからこそロンスパ戦ということです。
これが後方からの競馬で結果を残していた場合は、距離が延びて基礎スピード面が楽になる事で先行してロンスパという様々な競馬の戦法の中でもトップレベルに優れている競馬ができる可能性も上がりますので期待できます。
これに加えて短い距離で後方から上りは使っているもののポジション的に届かず敗戦や瞬発力戦(トップスピード戦)で置いて行かれて敗戦している馬は、距離が延びた方がいい馬です。
距離延長がマイナスになる馬
次にマイナスになる馬を考えます。
これは本当にシンプルに考えてください。
プラスになる要素を満たしていない馬です。
プラスになる要素のどれも満たしていない馬はそもそもその距離が適しているという事でしょう。つまり現状以下の可能性が高いです。
なので、マイナスになる可能性を強くみて判断します。
まとめ
これらが、距離延長に対する扱い方です。
もちろんこれらは予想の範疇は超えません。それはラスト3F最速のレースで好走したときは抜群に調子がよかったという事もあるからです。
しかし、そこまで含めての理論化はあまりに複合的過ぎて、理論化した方が柔軟性が損なわれるというマイナスがあります。
なので、例に挙げた様に実際には作用する要素が多くあるので、今回の考えから外れる馬も稀にいますが、それにあまり捉われずに、その結果から再分析し、馬のタイプを適切に見極めて次走に活かす方が圧倒的にコスパが良いです。
全レース的中させる事をそもそも狙わずに、一定の不的中をそもそも許容範囲としているのと同様にラップ分析もある程度の誤差は想定しておくことが必要で、その誤差を都度修正していく事こそが最重要という事は覚えておいてください。