【2019年宝塚記念】詳細回顧

巷で言われるリスグラシューはアーモンドアイに勝てるのか?ラップ分析で攻略検証してみた

宝塚記念で見事な圧勝劇を飾ったリスグラシュー。

キセキをものさしにした単純な比較ではアーモンドアイとも甲乙つけがたい勝利を果たしましたが、今後どう扱うべきなのかを中心に分析していきます。

※前半はレース回顧で一度お送りしている分と類似しているので、復習が必要のない方は【次走以降狙い目】の項からご覧ください。

宝塚記念概要

レースラップ

【12.6-11.4-11.5-12.4-12.1-11.9-12.0-11.6-11.5-11.4-12.4】

前後半3F:35.5-35.3

前後半5F:60.0-58.9

レーン騎手騎乗のリスグラシューが2番手を取る積極的な騎乗ですが、

極端な流れにはならず、終わってみればスローペース水準のレース。

そして、ラスト6Fから11秒台に入りギアチェンジが求められるようなポイントはなし。

結局は距離適性が求められるスローからのロンスパ戦という内容。

宝塚記念レース前分析

【リスグラシュー】

エリザベス女王杯はスローペースからの瞬発力戦。ラスト4F地点から追い出してラスト2Fで一気に先頭に迫っての差し切り勝ちです。上り3Fでは1頭だけ33秒台ですし、ラスト2F地点ではおおよそ10秒台には突入していますし後半要素の違いを見せました。

府中牝馬Sは前後半3F34.9-34.8ですが、これは先頭が大きく離して逃げたものなので完全なスローペースでした。

ラスト3F最速で直線出し切る東京らしい競馬になりディアドラには直線で見劣って2着まで早い馬場にも対応しましたし、ラスト3F最速で勝ちに等しい内容でディアドラが更に強かった。

ディアドラには後半要素が見劣りましたが、ディアドラは牡馬最上位とも遜色ない馬なので充分に評価できる内容。

ラスト3F最速を出し切っての競馬がベストでギアチェンジなどの器用さは感じない馬です。

ドスローからのラスト2F最速戦を悠長に構えていては出し抜かれるタイプですし、前半は自分のペースで直線に向けては積極的な騎乗が必要。

そもそも最終週でタフ馬場の阪神で更に雨がきてギアチェンジ面が問われにくくなりそうな点もプラス。

宝塚記念勝因

最序盤でキセキに行かせる形を内の馬がとった事で外から楽に押し上げて2番手を確保。

別にここは基礎スピードの良し悪しではなく、枠の並びと内の馬の消極性が生んだチャンスという感じの印象。

雨こそ来ませんでしたが、結果的にはスローの中でポジションを取り、ギアチェンジ面問われないロンスパ戦の流れで負ける理由がないという展開。

仮に流れても前が止まった所を差してこれる馬なので向きますし、やはり推奨通り今回は凡走の展開がなかったと言えるでしょう。

次走以降狙い目

まずこれまで着順として崩れたレースを考えていきます。

安田記念はマイルで平均ペースまで求められると基礎スピード面が苦しかったという処理でいいでしょう。

エリザベス女王杯2017は前後半3F36.5-34.4の超スローペースを後方からでラスト4F12.2-11.6-11.2-11.6の瞬発力戦で上り最速を出しながらも8着と致し方ない内容。敗因とするならばポジション比で見た時のトップスピード不足。

オークスも大まかにはエリザベス女王杯2017と同様の敗因と捉えていいです。

着順としては悪くないレースでも敗れているのは結局前のギアチェンジ型の出し抜きにやられることが多く、同一位置から脚を出し切って敗れるシーンや後ろから差されるシーンはほぼありません。

その中でなぜ勝ち切れないレースが続いたか?この考え方は実は間違いです。

勝ち切れないレースが続いたのではなく得意な展開以外でもある程度着順をまとめられた。つまり総合力の高さ故に崩れないレースが続いたというのが本質です。

総合力が高いバランス型の馬ですが、逆に言えば尖った特徴はない馬です。もっと言えばなるべくレース全体を通した競馬が理想なので、ポジションが着順に大きく影響するタイプ。

後方からになると、前にいる瞬発力特化(スロー)、基礎スピード特化(平均~ハイ)の馬がいた場合は出し抜かれる事になります(展開利をとポジション利をひっくり返す絶対的なものはない)。

しかし、考え方を変えると基礎スピードが対応できる範囲でポジションさえ確保してしまえばかなり優位に立つ事ができます。今回の宝塚記念はそれが叶った訳ですので圧勝はある種必然とも言えます。収穫と言えば前後半3Fで平均水準のペースを先行できた基礎スピード面の証明です。その他要素はこれまでのレースで既に証明済みでしたから。

そして、これが秋競馬でどうなるのか。アーモンドアイとの比較で今回は考えてみます。

冒頭でも書いた通り着差からの比較だけならばアーモンドアイにも勝ち得る存在という単純な考え方も完全な否定はできません。

しかし、アーモンドアイと対戦する可能性のあるレース設定を考えるとそう単純な話ではありません。ローテーションに関しては近づかなくては正確にわからないので、おおよそで天皇賞秋とJCと有馬記念で考えます。

※共に状態万全想定

まず天皇賞秋とJCに関しては現状難しい印象です。

リスグラシューが今回の好走からポジションを前に取るのは絶対条件として、その上でもトップスピードとギアチェンジ面は明らかにアーモンドアイに軍配が上がります。

アーモンドアイが前づけならばまず厳しいです。

後方からでも東京だと届いてしまいますし、ラスト4Fからの動き出しでもアーモンドアイは対応してしまうので、結局は瞬発力面の見劣りで厳しいでしょう。

ただ一転して有馬記念ならば勝算はあると思います。

トップスピード面はタフな馬場かつトリッキーなコースで問われにくいですし、ギアチェンジに関してもコーナーからの動き出しでフォローできるレースです。

そうなると馬場などへの適正信頼度はリスグラシューの方が上ですし、ポジションがアーモンドアイより前にいれば結構チャンスは大きいと思います。

これはコーナリングなどの良さから小回りコースが向くという事ではなく、トップスピード問われにくいタフな馬場の方がいい。

直線競馬だけで何とかなるコースではない方がいい。後方馬の脚をコーナーで削げた方がいい。これらの条件が当てはまるコースが結果的に小回りという方がイメージとしては正しいです。

とりあえず次走の注目はどれだけ前半の意識を持ってレースを進めるかを見ておけばいいでしょう。

今まで通り中団以下辺りの位置取りで混合戦の王道を行くならば宝塚記念出走馬との着順は十分ひっくり返される範疇である事は忘れてはなりません。

総合力は高く、明確に崩れる展開もなく、騎手の意識1つで好走できる馬なので完全消しは難しい馬ですが、この辺りを意識していれば扱いやすい馬でしょう。

あと並びにもよりますが、内枠よりは中目の枠が理想です。